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エアロビクス授業

学習指導要領において、エアロビクスは“体つくり運動領域”に位置づけられています。
体つくり運動は「体ほぐしの運動」と「体の動きを高める運動」および「実生活に生かす運動の計画」で構成され、自他の心と体に向き合って体を動かす楽しさや心地よさを味わいながら、心と体をほぐしたり体の動きを高める方法を学ぶことができます。
小学校では学びを授業以外にも生かすことを、中学校ではより具体的なねらいをもった運動を行うことで、学校の教育活動全体や実生活で生かすことを目標としています。
第1学年および第2学年は「体を動かす楽しさや心地よさを味わい、目的に適した運動を身に付け、組み合わせる」ことを、第3学年では「体を動かす楽しさや心地よさを味わい、健康の保持増進や体力の向上を目指し、目的に適した運動の計画を立て取り組む」ことを学習します。
指導に際しては、知識の理解を基に運動の計画を立てたり、運動の計画を立てて取り組むことで一層知識を深めたりするなど、知識と運動を関連させて学習させることが大切です。また、「知識および運動」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の内容をバランスよく学習させることも重要です。
ここでは、中学校体育における主体的・対話的で深い学びの実現に向けたエアロビクス授業の進め方と、エアロビクスを取り入れた体力の向上を図る運動の計画と実践の具体例(運動強度と心拍数の関係、スーパーサーキット)などを解説しています。
有酸素運動として「エアロビクス」を行うための知識を理解し、持続して動き続ける能力を高める運動として実践できるようにした授業の展開例です。
エアロビクス授業の①②の部分です。実際に生徒に視聴させて理解を促しましょう。
エアロビクスで使用頻度の高い6つのステップの動作名や動き方を学びながら、音楽のテンポに合わせて実践してみましょう。それぞれ足への衝撃性が低いローインパクト(32c)とはずみを強調したハイインパクト(32c)によるステップを紹介しています。
パターン1の中から、レッグカール/サイドステップ/バックランジを選び、それぞれローインパクト(32c)とハイインパクト(32c)を組み合わせて連続して動きます。リード足を変えて左右バランスよく動けるようにしましょう。
パターン1の中から、マーチ/ニーリフト/バックランジを選び、ローインパクトのステップ(16c)と左右にホップするハイインパクト(16c)を交互に組み合わせて素早く切り替えながら動きます。切り替えのタイミングを意識して動くとスムーズに動きをつなげることができます。パターン2と同様にリード足を変えて左右バランスよく動きましょう。
さらに複数のステップを組み合わせて、ローインパクトからハイインパクトへ、またローインパクトに戻る安全性に配慮した6分間のプログラムです。途中高い運動強度が続くので、スクリーン等を視聴しながら声を掛け合って一斉に実践するのがよいでしょう。有酸素運動として5分以上持続的に動いて体力を高めましょう。
プログラムの実践後に心拍数を測定し、運動強度が適正かどうかの確認をしてみましょう。
エアロビクスは下記の表に見られるように、動きに慣れて意欲的に動くと心拍数が上がる傾向があります。体力だけでなく運動への取り組み方で心拍数が変化するため、意欲を引き出す指導や生徒自らの発言を促すこともポイントです。
No | 起床時 | エアロビクス(3分) | 縄跳び(3分) | ジョギング(3分) |
---|---|---|---|---|
1 | 60 | 186 | 181 | 117 |
2 | 75 | 165 | 157 | 120 |
3 | 64 | 162 | 157 | 120 |
4 | 74 | 156 | 136 | 128 |
5 | 68 | 166 | 160 | 120 |
6 | 74 | 140 | 124 | 100 |
7 | 60 | 141 | 132 | 116 |
8 | 60 | 136 | 134 | 100 |
9 | 65 | 145 | 140 | 126 |
平均 | 67 | 155 | 147 | 116 |
標準偏差 | 6 | 16 | 18 | 10 |
No | 起床時 | エアロビクス(3分) | 縄跳び(3分) | ジョギング(3分) |
---|---|---|---|---|
1 | 48 | 152 | 160 | 172 |
2 | 76 | 116 | 136 | 108 |
3 | 75 | 152 | 128 | 144 |
4 | 92 | 120 | 136 | 160 |
5 | 80 | 156 | 120 | 152 |
6 | 76 | 148 | 124 | 120 |
7 | 64 | 108 | 116 | 104 |
8 | 80 | 132 | 120 | 150 |
9 | 56 | 124 | 164 | 176 |
10 | 68 | 107 | 172 | 176 |
11 | 72 | 128 | 156 | 164 |
平均 | 72 | 131 | 139 | 148 |
標準偏差 | 12 | 18 | 20 | 26 |
グループを編成して、エアロビクスのオリジナルプログラムを工夫しながら作成してみましょう。この際に運動強度を上げる、下げるなどねらいを定めてステップを変化発展させるようにします。
自然と対話的な交流が生まれ、エアロビクスの動き方も身につけることができます。
フォーメーション(隊形)を工夫して移動を課題とすると運動量も確保できるでしょう。
ここでは4つのステップとそれを実際に生徒たちがアレンジしたプログラム例をご紹介します。
「授業づくりに役立つ資料」のコーナーの動画なども活用して、チャレンジしてみましょう。
エアロビックのステップを活用して、走る力・跳ぶ力・投げる力を高める授業展開(プログラム)例です。
準備運動に適したプログラムです。シンプルな上下運動とジャンピングジャックを繰り返しながら音楽のリズムに慣れていきましょう。
マーチをアレンジしたVステップなど、エアロビクスで特徴的なステップをご紹介します。
「動きを持続する能力」を高めるエアロビクスのステップに「力強い動き」を加えながら実施する総合的な体つくりを目指すサーキット・プログラムです。